ケースから出した瞬間に上等な三線というのがわかる。
離れたところに座っていた親父も気付いたようで、いつもより少しだけ興奮した口調で「上等三線だな」と。
手にとった瞬間に「○○さんの手(型)だな」と推測。
写真の三線は与那城型(一般にユナー型と呼ばれる)の三線だけれども、親父が三線製作を学んだ職人さんの手によるものらしい。
三線は同じ型でも職人によって、それぞれ印象が異なるものです。
三線に作者の名前を入れていなくても、造形や基本的なラインの出しかたで誰の作品か大体わかる。
「ちょっといつもと違う手だけど○○さんのだろう」
持ち込んだお客さんに聞いてみると
「そうです、15年くらい前に師匠を通して購入して、あちこちに張り替えに出しているんですけど、作った人をあてた人は初めてです」と。
購入したのは15年くらい前らしいが、製作時代は30年以上前、ちょうど親父が製作を勉強していたころらしい。
親父と同年代の方なので、およそ40歳前後の作品だと思われるが、完成度が高い三線でした。
その職人さんは、少し前に他界されてしまいました。
しかしながら、こうやって三線がやってくると、故人が会いに来てくれているようで、なかなか感慨ぶかいものがあります。
スピリチュアルなものにあまり興味のない親父も何か感じるものがあったに違いない。
きっと。
池武当新垣三線店 代表・新垣喜盛 初の個展(作品展)開催決定!
平成21年3月3日(火)~3月8日(日)
沖縄県立美術館・県民ギャラリー1
http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/index.jsp
入場無料
過去に製作した三線から最近製作した三線まで20~30挺ほどを展示する予定です。
ぜひお越しください!