0021/03/05

三線にまつわるエトセトラ

日付が変わりましたが、3月4日の「ゆかる日まさる日さんしんの日」が今年も大盛況で終了しました。

当店も出張販売でイベントを少しでも盛り上げることができたでしょうか?


ともあれ、たくさんのお客さまとコミュニケーションがとれて楽しかったです。







イベント会場では、毎年恒例となっている琉球三線楽器保存育成会の先生方による「三線鑑定会」も開かれていました。

今回は、ボクも鑑定に出す三線がありました。

というのも、お客さまから棹の修理で持ち込まれた三線なんですが、カラクイの穴がすり減っていて、手をかけるとその部分が破損してしまう恐れがあり…。




まあ、どんな三線でも直せないものはないんですけど、ものがたいそう古いものなので、この機会に鑑定してもらい、鑑定書がでるようなものであればそのまま使用してほうがよいとアドバイスをしてあげようということになったのです。


実際、見てもらったら、「大正時代」のもの?ではないかということで、毎月沖縄県立博物館で開かれている「鑑定会」に来なさいとのことでした。


たしかに、いろいろ修復して楽器としての性能をアップしたり、維持したりすることも重要ですが、多少の不具合があっても「そのままの形を残す」というのも、三線を愛でるひとつのあり方なんですね。



また、鑑定会には、昨年亡くなられたお父様が趣味で製作した三線を持参された方もいらっしゃいました。

なんでも15挺ほどあるらしいのですが、家族の誰も三線を弾かず、その値打ちがわからないので鑑定会で見てもらおうとのことでした。

ちなみに、鑑定会は、おもに時代考査や型の分類など、その三線の歴史を鑑定するもので、「その三線、値段にしていくら?」という質問はタブーなんです。(多くのお客さんがそのような質問をするのですが…)


結局先生方からは、「あと50年くらい待ちなさい」と言われたそうです(笑)なるほど。


鑑定するために解体した三線を元に戻すのをボクが手伝ってあげたのですが、その際にいろいろとアドバイスさせていただきました。

落ち着いたら、やはりその三線を弾いてくれたり、かわいがったり、大切にしてくれる人に手放して、いくつかぴんとくるものをご家族で大切にするといいのかもしれません。


50年、100年と大切にしてあげて、そのご家族で値打ちをつけていく、それもまた良いのかもしれません。


三線の値打ちは、手に入れた後は、持つ人が決めるのですから。